公共空間

市民の力で、都市の水辺を居心地の良い空間に変える  大阪・北浜テラスの取り組み

post : 2016/02/21(Sun.)

街を歩いていると、この場所にこういう場所があれば、

とっても気持ちがいいのにな、って思う場所って結構ありませんか?


気持ちのいい風が吹く見晴らしのいい川辺だったり、

緑が多く歩くだけで気持ちの良い街路だったり。

この場所でゆっくり座りながら、食事をしたら楽しいだろうな。。


でも、それらの多くは公共の空間であり、

規制というルールによって、思いついた空間を容易に実現出来ない現実があります。

そのような状況においても、街に住む人が強い意志を持って、

行政をも巻き込んで、居心地の良い空間を公共の場所に作った例もあるんです。

その一つが、大阪にある北浜テラスです。

北浜は、大阪の中心地・梅田の南に位置する地区で、

大川という川に面した水辺を有するエリアです。

対岸には、川の中州が発展したエリア・中ノ島があります。

中ノ島は、レトロな建物や美術館、そしてバラ園と歩くだけでも面白い場所。

中ノ島に対して、北浜の水辺に面したエリアは、

以前はビルの背面が水辺に接していて、中ノ島と比べると、

水辺の空間を活かしきれているとはいえない状態でした。


北浜の水辺の空間を活かせば、きっと心地の良い空間が生まれる。

そう考えた2つのNPO団体が動き出しました。2007年の事でした。

北浜における川床の模擬実験を模索する中で、

川床の可能性を感じていたビルオーナーやNPOが徐々に結集。

北浜テラス実行委員会を組織し、実現に向け本格的に動き出しました。

そして、行政も都市再生の観点から、この北浜の川床の可能性に関心を寄せました。

NPO、ビルオーナー、行政と、多くの関係者が集まる中で、

様々な法規制を乗り越え、2009年に大阪の復興を掲げる”水都大阪2009”にて、

北浜テラスは1つのプログラムとして水辺空間を提供しました。

さらに、水都大阪2009終了後、

この川床を継続していきたいという民間事業者の思いにより、

民間の自主事業として継続していく事になりました。

河川敷の包括的占用を認められる事は、異例の事であったようです。

街の空間を、もっと活用したい。

そう考えた市民の思いと力が、行政とうまく連携して、

公共の空間が生まれ変わった事例です.

そして、今。少しずつですが、こうした流れは日本のあちこちに広がってきています。

自分が住む街を、自分達で魅力的に変えていく。

あなたの住む街にも、眠っている公共の空間がきっとあると思います。

その空間を変えていくのは、あなたかもしれません。


大阪川床 北浜テラス

http://www.osakakawayuka.com/


動き出した日本の公共空間 ~公共R不動産~

post : 2016/02/19(Fri.)

子供たちにとって欠かす事の出来ない遊び場である公園。

最近、公園での活動が制限される流れが続いており、

ボール遊びが出来ず、遊具もない公園が増えています。


公園は、子供にとってだけでなく、大人たちにとっても大事な場所です。

子を持つ親にとっては、子供を元気に遊ばせられる場所。

また、気軽に立ち寄って、思い思いに過ごしリラックスできる憩いの場所でもあります。


しかし、遊具による公園での事故が相次いだ事で、行政による規制が強化。

公園は、今や誰のためでもない空間となってしまいました。

公園に限らず、公共の空間は、普段触れ合うことのない人たちが

気軽に立ち寄り、交流する事で、新たな触れあいが生まれるきっかけになります。

地域の交流が少なくなれば、地域におけるにぎわいも同時に減少していってしまいます。

そのような状況の中で、公園に限らず、日本の公共空間を、民間の側から変えていけないか、と考えているのが公共R不動産です。

公共R不動産を運営するメンバーは、東京R不動産という、

東京にある、少し不便でも、こだわりと味のある物件を紹介するWEBメディアを運営してきました。

公共R不動産は、東京R不動産で培った独自の視線を活かし、

日本の各地に埋もれている公共空間の存在と、使い方を見つめ、情報発信をしています。


日本には、過去のハコモノ行政により作られ、時代の変化とともに、

使われなくなって眠っている公共空間がたくさんあります。

行政の側としては、人口が減少し、都市間競争も激しくなる中で、

これまでと同じレベルで、公共空間を維持管理できなくなってきています。

かといって、維持管理が出来ないまま、公共の空間を遊休させておくのでは、

その地域の魅力を向上させることには繋がりません。

今後、こうした行政の悩みは、全国レベルで多く、広がっていくものと思います。

公共R不動産は、こうした時代において、公共の空間を有効に利活用していく流れが生み出せるよう、公共の空間の情報だけでなく、空間の利用事例といったものも発信していくようです。

あなたの住む街にも、きっと眠っている公共の空間があると思います。

公共R不動産を見て、何かを感じたら、身近にある公共の空間を使って、

豊かなみんなの空間を生み出せたらいいですね。


公共R不動産

http://www.realpublicestate.jp/