街づくり
Humans of Newyork たった一人のクレイジーなアイデア
posted : 2016/02/27(Sat.)
日々忙しく街を歩いていると、すれ違う人がどんな人で、
何を考えているかについて、思いを巡らす人は少ないですよね。
そして、街を歩くあなた自身も、すれ違う人から思いを巡らされている事も、
また少ないことでしょう。
けれども、もちろん、すれ違う誰かや、あなた自身には、
悩み事や、楽しいと感じてきた事、将来の事といった、様々なストーリーが背景にあるはず。
ニューヨークの写真家、Brandon Stantonによる"Humans Of Newyork"は、
そうした、ニューヨークの街を歩く”誰か”のポートレイトを集めたブログ。
Humans of Newyorkでは、ポートレイトに加え、写された人々の思いが綴られています。
Brandonはアメリカ アトランタ州で育ち。
シカゴで債権のトレーダーとして働いたBrandonは、
職を失ってしまった事を契機に、お金を稼ぐのではない、
人生の時間の使い方を考えます。
元々写真が好きだった彼はある時、写真による都市の人口動態、
と彼自身が呼んでいる、街の人々のストリートスナップを纏めるプロジェクトを思いつき
ます。目標のスナップ数はなんと10,000?!
それから彼の、彼自身によるプロジェクトが始まりました。
2010年11月4日、ニューヨークに移った彼は、長いときで一日8時間、
街を歩いては街行く人に声をかけ続け、ポートレイトを撮り続けたといいます。
定職には就かず、これまでの貯蓄を切り崩しながら、
自身のプロジェクトにこだわり続けた彼は、こんな印象的な言葉を残しています。
”I don’t want the project to be a means to achieve a lifestyle.
I want it to be a lifestyle in itself"
やがて、Humans Of NewyorkはFacebookを通じて評判が広まっていき、
Facebookのいいね数は1700万円を超えるまでになりました。
とにかくアプローチしやすい人がいれば声をかけ、
ポートレイトを撮っている、とBrandonが言うように、
Humans of newyork上に写る人々は多種多様。
まさに、ニューヨークの今を写真で切り取る人口動態です。
そして、Brandonが当初考えていた、都市の人口動態を写し取る目論見を超えて、
今やHumans Of Newyorkは別の意味をも持つようになりました。
人間誰しも、多かれ少なかれ、自分の思いを誰かに聞いて欲しいもの。
自分の思いを話すことで、心の澱を吐き出す。
そして、Facebookを通じて誰かから、自分の悩み対してポジティブな意見を受け取る。
Humans of Newyorkを通じて、人生が変わった、と言う人もいるそうです。
今やHumans of Newyorkは誰かの心のセラピーにもなっているようです。
Brandonのプロジェクトは、結果として大きな影響力を持つものとなりました。
けれども、重要な事は結果ではなく、誰かのプロジェクトに取り組むのではなく、
自分のプロジェクトに取り組み続けたプロセスにこそあるのだと思います。
あなたにとっての、プロジェクトは何でしょうか?
あなたが今は会社に勤めているとしたら、今取り組んでいる仕事を、
自分のプロジェクトと捉えてしまう事も、一つの取り組み方なのかもしれません。
[via citylab,independent,npr]
不動産選びをもっと自由に 水辺の暮らしに特化した不動産サイト”水辺不動産”
post : 2016/02/22(Mon.)
住まいは人生の多くの時間を過ごす大事な場所。
納得のいく空間で時間を過ごしたいと思いますよね。
日本の不動産業界は、人口の増加に対応し経済発展を進めるため、
画一的な不動産を大量に供給してきました。
不動産を選ぶ側の個人も、似たような物件の中から、
選択をしなくてはなりませんでした。
しかし、バブル崩壊を経て、既存の価値観も崩壊するなかで、
不動産を選ぶ行為に、新たな価値観が広まるようになりました。
東京のちょっと癖のある物件を紹介する”東京R不動産”のように、
これまでの不動産の選び方を変える流れが生まれてきました。
今回ご紹介する、水辺に特化した”水辺不動産”もその一つ。
水辺、をキーワードに不動産を決める
水辺不動産は、2004年に”NPO水辺のまち再生プロジェクト”が立ち上げた不動産サイト。
"水辺不動産は空室を解消することで水辺の日常の賑わいを取り戻し、
明かりが灯ることで水辺の景観を変えていくことを目的としている"不動産情報サイトです。
水辺不動産が提供するサービスは、3つ。
水辺に特化した不動産情報の紹介、水辺の素敵な暮らし方の紹介、
そして紹介する不動産の仲介。
水辺不動産で紹介される物件は、水辺の景観を眺められるベランダ付き物件や、
水辺のある生活を思わず妄想してしまうような物件。
住居物件だけではなく、オフィス物件も取り揃えています。
従来の不動産情報サイトが提供していた、
地域毎に整理された物件リストや、皆がうらやむ高級賃貸物件が並ぶわけではありません。
それでも、「水辺のある落ち着いた環境で暮らしたい」「あのエリアの水辺にオフィスを構えたい」といった、漠然とだけれども、実は住む人にとって重要な不動産選びの動機を、しっかりと掴んでいるサイトだと思います。
これからの時代の不動産選びは、どこそこの駅に近い、という選び方よりも、
どんな暮らし方をしたいかを追求して、不動産を選ぶ時代になってきているようです。
あなたの街にも、これまでとは違う切り口の不動産が眠っているかもしれませんよ。
水辺不動産
http://mizube-fudosan.com/index.php
八王子から街づくりを考える 空きテナントの活用を通じて、八王子の魅力を発信する取り組みAKITEN
posted : 2016/02/17(Wed.)
八王子、と聞くとみなさんはどんな街のイメージするでしょうか。
名前は聞いた事があるけれど、普段訪れる事のない方にとって、
八王子という街に対する、これ、といったイメージを思い浮かべるのは難しいかもしれません。
実は八王子という街は、人口が58万人もいる、
比較的大きな都市です。
近くには高尾山があり、自然を身近に感じられる街で、
実はたくさんの魅力がある街なんです。
東京都心へのアクセス手段も確立されており、
山梨県へのアクセスも良好です。
人がたくさん住んでいて、自然という魅力もあり、
出かける際のアクセスも良い八王子という街。
一方で、八王子は高齢化社会、という課題を抱えた街でもあります。
八王子の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は23%。
65歳以上の人口が21%を超えると超高齢社会、と言われる中にあって、八王子は既にその基準を超えた
高齢社会になっています。一方で生産労働人口は減少の一途を辿っています。
高齢者が多く、労働生産を担う人口が少ないという事は、
福祉医療に対する行政の支出が多い一方で、自治体の収入となる
税収が少ない。つまり、入りは少ないけど、出るものが多い、という状態です。
若者が八王子という街から流出し、八王子に定住してくれず、
街に活気が失われる事で、駅前には空きテナントが増えてきてしまっている。
そんな八王子の現状を変えるための取り組みを行っているのが、
NPO法人AKITENが運営するAKITENプロジェクトです。
NPO法人AKITENは、八王子市議会議員の及川賢一さんを中心とした7人のメンバーから構成される団体。そのNPO法人AKITENが運営するプロジェクトのヴィジョンは、八王子市の空きテナントを活用し、八王子特有の文化や産業を通じて、地域の内外に八王子の魅力を発信すること。
実際に八王子市の空きテナントを活用して、プロジェクトファーマーズマーケットの開催やワークショップを行っています。2014年6月には「八王子は"おいしい"」をテーマに、
八王子の食材とカトラリー、アートを集めたファーマーズマーケット"FARMART"を開催。来場者は1000人を超えたようです。
また、2015年7月には、空きテナントの利活用を考えるワークショップ、
"AKITEN WORKSHOP -ゲームをつくる-"を開催。
元々ディスコが入っていた空きテナントの中で、
このテナントの活用方法を、様々なゲームを考案して実際に体験してみる取り組みを行いました。
今後はより八王子ならではの取り組みを、地域と連携していきながら進めていくようです。
都市の魅力を高めるために、地域の魅力と、アートや食などの文化をかけあわせて発信していく取り組みは、
全国各地で行われています。AKITENもその取り組みの一つですが、
八王子市議会議員という行政に関わる人が、このような取り組みに参加している点は興味深いものです。
あなたの住んでいる街では、どのような取り組みが出来ると思いますか?